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藤巻 秀; 中村 進一*; 鈴井 伸郎; 石岡 典子; 茅野 充男*; 松橋 信平
no journal, ,
Positron Emitting Tracer Imaging System(PETIS) は、植物個体に与えたポジトロン放出核種の体内分布を非破壊的かつ経時的に観測できる装置である。最大の特長は、オートラジオグラフィーなどの手法と異なり動画像データが得られる点にある。これにより植物における物質輸送の動態を視覚的に理解することが容易になり、近年、さまざまな研究に利用されている。本研究では、土壌及び食糧の汚染が問題となっているカドミウムに着眼し、植物体内における吸収・輸送・蓄積の挙動を可視化することを試みた。ポジトロン放出トレーサとして107Cd(半減期6.5 時間)をイオンビーム照射及び化学分離によって調製し、供試した。播種後45週のイネ、播種後24週のアブラナを供試し、水耕液からトレーサを経根吸収させつつ、根の基部から地上部にかけて1137時間イメージングを行った。その結果、生きた植物体内のカドミウム移行の様子を動画像として得ることに初めて成功した。また同時に、根、葉鞘(イネ)、茎・節・葉柄・葉身(アブラナ)といった部位別にトレーサ量の経時変化グラフ(time-activity curve)を得た。各部位におけるカドミウムの輸送と蓄積の挙動を理解するために、これらのグラフをもとに動態解析を試みたので、これについても報告する。
中村 進一*; 秋山 智恵子*; 渡辺 明夫*; 服部 浩之*; 藤巻 秀; 鈴井 伸郎; 石岡 典子; 松橋 信平; 茅野 充男*
no journal, ,
植物により、土壌中に蓄積したカドミウム(Cd)を効果的に除去するためには植物が根から吸収したCdを効率的に地上部へと移行させる必要がある。Cdの地上部への輸送は主に導管経由であると考えられることから、本研究では導管に存在するタンパク質に着目し、導管におけるCdの輸送機構の解明を目指した。供試植物としてはアブラナを用いて、水耕液中に塩化カドミウムを添加することで植物体にCd処理(10M, 30M)を行った。各植物体より導管液を採取し、導管液タンパク質のCd処理に対する応答を調べた。採取した導管液中のタンパク質濃度をBradford法により測定すると18g/mLであり、Cd処理によっても導管液中に存在するタンパク質の濃度に変化は見られなかった。SDS-PAGEによりタンパク質を分離後、銀染色法により検出するとアブラナ導管液中には根、葉、葉柄、篩管液中とは異なる組成でタンパク質が存在することが確認できた。導管液タンパク質にはCd処理に応答するものの存在が確認できた。分子量20kDa, 45kDaのものはCd処理により存在量が増加し、分子量60kDaのタンパク質はCd処理によりその存在量が減少していた。これらのタンパク質については構造やカドミウム結合性に関しての解析を行う予定である。